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頚椎症性神経根症 けいついしょうせいしんけいこんしょう
-症状-
頚椎症による首の局所症状で、首や肩甲骨付近の痛み、肩こりといった症状があります。首を動かすと痛みが増します。上を見たり、うがいをするときの動作がうまくできないことがあります。
脊髄の枝(神経根)が圧迫されて、主に片方の首~肩~腕~手にかけて痛み、しびれ、力が入りにくいなどの症状が出ます。
-原因・病態-
頚椎(くびの骨)は7個の骨からなり、骨と骨の間にある椎間板はクッションの役目をしています。椎間板は20代から変性(年齢による変化)が始まるといわれています。
長年にわたり頭部を支えながら動くことで、徐々につぶれてくるなど椎間板の変性が進行します。
これに伴って骨が変形して出っ張る骨棘(こつきょく)が生じ、これが神経根(脊髄が枝分かれして体の各部分に向かう神経の根っこの部分)に触れると神経根症の症状が出ます。
-治療-
日常生活では、良い姿勢を保ち、頚椎に対する負担をできるだけ減らすことが重要です。首が後方にそらないように心がけましょう(美容院での仰向けのシャンプー、高いところを見上げる動作を避ける等)。ソファなどで姿勢を崩して寝ることや、電車や車に長時間座り続けることは頚椎に負担をかけますので注意してください。
治療としては、薬物療法、装具療法(頚椎カラー)、消炎鎮痛リハビリテーション(頚部の牽引や温熱療法)、運動器リハビリテーション(頸に負担のかからない姿勢の指導や日常生活動作指導を行うことで症状を軽減し、再発を予防する)があります。
手根管症候群 しゅこんかんしょうこうぐん
-症状-
示指・中指を中心にしびれ、痛みがでます。しびれは環指・母指に及ぶこともあります。これらは明け方に強くなり、手を振ることで楽になります。指の朝のこわばりや腫れた感じがすることもあります。
進行すると母指の付け根(母指球)がやせてきて、縫い物やボタンかけなどの細かい作業が困難となったり、つまむ動作が行いにくくなります。
-原因・病態-
正中神経が手首にある手根管部で圧迫されることが原因です。手根管は手根骨と横手根靭帯(おうしゅこんじんたい)で囲まれたトンネルで、その中を指を曲げる腱や正中神経が走行しています。
女性に多くみられ(男女比は1:10)、妊娠・出産・更年期に発症することがあります。その他、手を使う動作、透析、外傷も誘因となります。
手首(手関節)をたたくとしびれ、痛みが指先にひびきます(ティネル徴候)。手首を曲げると症状が悪化します(手関節屈曲テスト)。さらに神経伝道速度の計測を行うこともあります。
-治療-
手の使いすぎを止め、局所の安静を保ちます。
飲み薬の内服の他、手関節の安静を保つために装具で固定することもあります。
ブロック注射(手根管内にステロイドを含む注射をします)を行うこともあります。
上記の保存治療を行っても改善に乏しい場合、手術を考慮することもあります。横手根靭帯を切離することにより正中神経の圧迫を除去します。提携先病院を中心に、手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。